浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「ちょっと、あなたたち。食べるわけがないでしょう?殿下の瞳に、わたしが映っているのを見たいかっただけよ。碧眼って映りやすいのよ。だけど、いまは太陽の光でわからないわ。いまが冬ならよかったのに。暖炉の炎をバックにして見たら、とっても幻想的に映るのよね」
「クミ。だったら、だったら、冬に。そう、冬に見てみたらいい」
「でもね、殿下。まだ夏になったばかりよ。冬なんてまだまだ先だわ」
「時間なんてすぐに経つさ。モリーナ王国も冬は寒い。暖炉はいくらでもある。なんなら、盛大に焚き火をしてもいい。それなら、きみもぼくの瞳をじっと見つめていられる」
「アレックス、盛大に焚き火だって?バカバカしい」
「大木を燃やしまくれば、大型獣の丸焼きが出来るぞ」
「アニバル、ロボッ!頼むから黙っていてくれないか」
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