浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「ああ、わかっているさ。というわけだ、アレックス。おれたちに子どもが出来たら、しばらく休業させてもらうとしよう。一応、おれも王子の一人だからな。働かなくっても王家に名を連ねているお蔭でそこそこの手当はもらえる。外で働かなくても、カルラと大勢の子どもたちを養えるだけの実入りはある。もちろん、貯蓄もある。養育費はもちろん、カルラとおれの老後の為に貯めているんだ」
「なんてことなの!アニバル。あなた、そこまで真剣だったのね」

 思わず、叫んでしまった。

 最初こそ、カルラを誑かしたり弄んだりするだけかと思っていた。だから、反対した。不信感もあらわに、アドバイス的なこともしてしまった。

 だけど、そこはわたしが間違っていたわけね。

 アニバルは、ほんとうにカルラのことを愛している。

 彼になら、カルラを託せる。

 思わず、涙が出そうになった。

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