浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
 両脇の家には白い壁と窓が幾つかある、オーソドックスな脇道。

 脇道、といってもわりと幅はある。馬車一台、ギリギリ通過出来る。

「じゃあ、こっちから行きましょう」

 脇道へそれた。

 見上げると、二階の窓に手すりがあって、そこにテーブルクロスのような大きな布が干されている。壁の色とおなじ真っ白で、微風に揺れている。

 脇道を抜けると、開けた場所に出た。

 用水路が見える。

 食器や食材を洗ったり、洗濯をする共同の用水路みたい。

 家々の裏口は、暑さしのぎの為か開いているところが多い。

 住人の幾人かは、建物の蔭に椅子を置き、そこで涼んでいる。
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