浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~
「あなたたちがどこの黒幕の下っ端要員かは知らないけれど、とにかくきいてちょうだい。あなたたちを取りまとめているそのベレー帽の男。たぶん、黒幕にいいように使われている使い捨ての駒の一人だと思うんだけど。それはともかく、彼は自分の任務も忘れてこのわたしをどうにかしようとしたのよ。こんなのって、使い捨ての駒のやることじゃないわよね?いたいけな女性の身体や精神をあーんなことやこーんなことをして弄ぼうとするなんて……。信じられないわ」
「な、なんてことだ……」
「アレックス、いちいち絶望しなくていいから」

 アレックス、そんなに興奮しないで。

 彼を冷静になだめるアニバルを見ながら、苦笑してしまった。

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