浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

【最終話】なんか違うけど、小説だったらハッピーエンドのはず……

「クミ、どうかいい返事をくれないか?」

 返事を迫ってきたアレックスの顔が近い。っていうか、近すぎる。

 それこそ、舌を伸ばせば彼の鼻をペロッとなめられそう。

「もちろん、行くわ。だって、王妃様のイラストを見たいんですもの。それに、モリーナ王国の王都も見てみたいし。王子のだれかを殺したかったけど、王子が目の前の三人しかいないんだったら、念のため国王陛下にするかもしれないから。だから、国王陛下のことを知っておかなくっちゃってやつですものね。いいわよ、ついて行く。それでいいわよね、カルラ?」
「え?お、お嬢様?なにか、違う気がするんですが……」
「カルラ、いいんだ。きみさえ一緒なら、おれはそれでいい。アレックスは、自分でどうにかすべきだ。それが、次期国王となる者の試練。ということにしておこう」
「そ、そうなのですか、アニバル様?帝王学というのですか、そういうの?大変なんですね」

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