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「なんだと?」

「いい表情してたぜ。最初は泣き叫んでたけどな。そのうち腰をくねらせてよがりだしたよ」

僕は比留川の胸倉を掴んだ。

「なにを言ってる?」

「野球は上手くてもセックスは下手らしいな、お前は。みちるちゃんは満たされてなかったみたいだぜ? なんせ三度目くらいから俺にせがんできたからな」

僕は比留川を思いきり殴り飛ばした。

全身が熱くなり、拳がぶるぶると震えた。

ベンチ内がしんと静まり返る。


倒れ込んだ比留川を見下ろして僕は訊いた。

「いま言ったことは本当か?」

比留川は血の混じった唾を地面に吐き出し、蔑むような目を僕に向けた。


「みちるちゃんに訊いてみたらどうだ?」


殺す――。

僕の中で何かが弾ける音がした。

比留川の顔面をスパイクの底で蹴り飛ばした。

後頭部をコンクリートに激しく打ちつける。

比留川がうめき声を上げて身悶えする。

奴に飛び掛かる。

やめろ、という声がして、

チームメイトが僕を羽交い絞めにした。












羽交い絞めにされた僕の心臓を狙って、銃剣の切っ先が迫る。
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