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「あんたも収容所から逃げてきたのか?」

「ああ、そうだ。そんなことより――」

彼は死体からライフルをぶん取り、僕のほうに放り投げた。

「丸腰でここから脱走しようなんて自殺行為だぜ?」

そう言ってにやりと笑う。

「……そうだな。すまん」

僕はライフルを拾い上げ、装填された残りの弾を確認した。


辺りは静かだった。

密林を抜ける風の音、どこか遠くにいる野鳥の鳴き声、それ以外は何も聞こえない。


「急いだほうがいい」

彼が言った。

「敵の追っ手はまだ統制がとれてねえ、動くなら今だ。このジャングルさえ抜けちまえば奴らも深追いはできねえはずだ」


「OK。行こう」

太陽の位置から進むべき方角を割り出し、僕たちは移動を始めた。
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