キスだけでは終われない
 
翌日、会社を出る頃にアヤちゃんから連絡があり、1時間ほど残業することになったけど、必ず行くからということだった。

先に自宅に戻り、簡単な夕食の準備をしていた。
チャイムがなり、ドアを開けお迎えする。

「いらっしゃい。お疲れさま」

「お邪魔します。はい、これ」

アヤちゃんが手に持っていた箱は最近話題になっているタルト屋さんのものだ。

「ありがとう。ここのタルト食べてみたかったんだ」

「じゃあ、後で食べましょう。冷蔵庫に入るかな?」

「うん。食後に一緒に食べようね。簡単なのだけどパスタにしようと思って準備していたんだ。茹でだすから座ってて」

「ありがとう。先に手を洗ってくるね」

今日のパスタは玉ねぎとベーコンをたっぷりめにして、ペペロンチーノ風に味付けしたものと海老とブロッコリーのサラダ、コンソメスープにしてみた。

「家に帰ってからの短い時間でここまで作ってるくれるなんてありがとう」

「アヤちゃんにご飯食べてもらうのって初めてかもね。口に合えばいいんだけど」

「いただきます。うん、美味しい…」

「よかった」

「カナはいいお嫁さんになるね」

「引きこもり時期にお菓子作りとかもよくしていたんだ」

「そうか…その頃ももっとこうやって会っていればよかったね」

二人で食事をし、デザートにいただいたタルトを食べる。
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