キスだけでは終われない
「わぁ、どっちも美味しそう」
「せっかくだからシェアしよう」
ナイフで切り分けて、それぞれを皿に載せる。ダージリンをカップに注ぎ、タルトを食べながらアヤちゃんが口を開く。
「さて、本題に入りましょうか」
「本題?」
「そう。カナは片山さんと須藤さんのどちらが好き?」
「ええっと、どちらかな?たぶんどちらも好き…」
「ふぅーん。じゃあ、質問を変えるね。どちらの人とならキスできる?その先もよ」
「なっ、アヤちゃん?!」
一気に顔が熱くなり、慌てて手で顔を扇いでいる。
「だって、大事なことでしょう」
「…う…ん…。あのね…実は、もう二人ともとキス…してる…」
「あらっ、そうなの…。じゃあ、もうわかるんじゃない?」
「…う……」
「だから困っているんじゃない?遠慮がちな香苗らしいけど…。このまま片山さんと付き合っていても、お互いに辛くなるんじゃないかな」
「でも…修一さんになんて言えばいいのかわからないし。悲しませるだろうし…。それに須藤さんの連絡先は知らないの。聞いてないし…」