キスだけでは終われない

「それにしても驚きました。うちの会長に挨拶しに行って、いきなり結婚すると言われたとか」

クスクスと笑いながら「カナの気持ちが最優先ですが、協力できるところはいたしますよ」と話してくれた。

カナのことを1番に考えているという彩未さんは俺の本気を理解してくれたようだった。

カナが修一と会う前に修一に会わなければと考え、彼の帰国日を確認して待つことにした。

金曜日、当初の予定より1日早く帰国した修一と会う約束をした。夜ということもあり、うちのホテル、“イル・ピュ・フィーネ”のラウンジで待ち合わせることにした。

先に着いてカウンター席で待っていると、修一が隣の椅子に手をかけ座り、「お待たせ」と声をかけてきた。

「帰国早々の疲れているところにわざわざ来てもらって悪いな」

「いや、機内で休んでいたから大丈夫だよ。それで?何かあったから僕を呼び出したんだよね?」
< 122 / 129 >

この作品をシェア

pagetop