キスだけでは終われない

今日はこの後、カナの従姉だという女性と会う約束になっている。カナが残していった服の購入者というのが、その人だった。約束の場所に行くとすぐにその女性という人がわかった。

「こんにちは。中田彩未さんですか?」

「ええ。どうぞ、こちらにお座りください」

「では。先日はお電話ありがとうございました。まさかあの服の購入者がカナの従姉だったとは考えてもいなくてすみませんでした」

「いいえ、普通は他の人が買ったなんて考えないですよ」

「それで彼女には話していただけたのでしょうか?」

「ええ、あなたに電話をした翌日、カナにあなたの名刺を渡しました。まだ連絡はないですか?」

首を横に振りながら、連絡がないことを伝えた。

「そうですか…。カナはあなたのことを気にしていました。ですが、まだ片山さんに会えず話ができていないみたいで…それが理由かと」

「彼女とのことは私からも修一に話そうと考えています。それで…」

自分の考えを伝えると、彼女は何かを思い出したように笑い出した。
< 121 / 129 >

この作品をシェア

pagetop