更生係の憂鬱生活
虐められている私に気付いているのかいないのか、京平は人がいてもいなくても絡んでくる。
そして、運が悪く、移動教室の際、ばったりと出くわしてしまった。
目が合ってしまったのが運の尽き。
他人を装う私に、ソイツは、にっこにこしながら迫ってくる。
「澪ちゃん、今日こそ俺と…」
『結構です』
無論、最後まで言わせずに断った。
京平は、愛想のない私に対して笑顔を絶やさない。
メンタルが強すぎる。
「どうして?
沢山甘やかしてあげるよ」
このチャラ男が。
どうせ一夜限りのものでしょうが。
改心するために一回刺された方が良いと思う。
私は冷めきった顔で言う。
『軽々しく好きにならないで下さい』
「…じゃあ、一生愛せばいいの?」
ほんの僅かな間、京平は影を帯びた笑みを浮かべた。
予想外の表情に、目を見開く。
ー…京平?
「…永遠に続く愛なんて、存在しないのに」