更生係の憂鬱生活


「道歩いてたら、スマホで喋ってる迷惑男がいてさぁ。

 うるさい上に通行の邪魔だったから、殴っちゃって。

 そしたら、ソイツのバックに組がいる成金の息子だったわけ」


超だるい、と深い溜息を零す代那に、私は真顔で諭す。


『今度からは、まず口で言いなさい』

イライラする気持ちはよく分かる。

だけども、先制攻撃してどうするよ。

代那は見た目の穏やかさに反してキレやす過ぎだと思う。


代那は、ちゃんと理解したのかしてないのか、「了解」と敬礼してきた。

分かってんだろうな?


代那が清の方に歩いていき、何やらヒソヒソと会話し始めた。


「…で、ソイツ黙らせればいいってこと?」

「そういうこと」


お互い了承しあってますけど、待て待て。


『どういうことですか?』


隠蔽工作する気満々じゃん。

ストップをかけたら、清は心底面倒臭そうに「ウザ」と呟いていて。

心が籠もりすぎて刺さるからやめてくれ。




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