Touch me 〈White Snow 〉 飲み会行ったら合コンでそこに彼氏がいるのはどゆこと?編
「すごーい!楽しそう!」

視線の先を見ると、美女に囲まれた晴久がいた。

「私もドライブとか好きなんですよ。
今度どこかお奨めのところに連れて行ってくださいよ」

「ごめんね。
彼女以外を乗せるつもりがないから、お奨めの場所は機会があったら教えてあげるね」

「じゃ、私彼女になりたい!」

「ずるい!私も立候補します!」

晴久を囲む美女が、挙手している。

「お二人が頼んだら、男連中は喜んで連れてってくれますよ」


「ふふふ」
八重樫さんが可笑しそうに笑った。
「心配?」
「え?」
と八重樫さんをみると、
「顔に出てる」
と笑われた。

「大丈夫だよ。よくみて」
顎で晴久たちをさす。

「ほら、女の子たちがぐいぐい来るもんだから、前野の椅子がだんだん後ろに下がってる」

「本当だ」
どうやら鼻の下を伸ばしているわけではないようだ。少しほっとした。

そして、八重樫さんが晴久を「前野」と呼んだことに少し驚いた。

晴久を見ていると視線に気付いたのか、こちらに目が向いた。

目があった。

「モテモテも大変だねー」
と桐谷君が言う。


「はい。モッテモテですねえ。羨ましいですか?」
と、八重樫さんに話を振る。

「おい、俺が持てないみたいな言い方するのやめてくれる?」
「そんなこと言ってないじゃないですか。でも、八重樫さんは前野君のこと知ってるんですか?」

八重樫さんは遅れてきたのに前野君の名前を知っていた。

「まあ・・・ね」

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