サンタクロースの贈り物(クリスマス企画)
「あの場で正式発表してしまえば、もう僕が担ぎ出されることも無いな。」
お風呂から出た柾樹さんが、伸びをしながら言った。
「先生、ずっと悩んでたの?」
「もう、済んだことだよ。」
そう言いながら、柾樹さんは私の頭を撫でる。
「私じゃ、力になれなかった?」
「まさか、梨香は力になってるよ。
ずっと隣に居てくれるだけで良いんだ。」
「私、隠し事されてる気がしてた時に、ラブレター隠してるの見ちゃったりして、それで…。」
「浮気されてるって思った?」
「…ごめんなさい。」
「で、今日も寝室は別?
僕は、一緒に寝たいんだけど。」
そう言いながら、柾樹さんは腰に手を回す。
「いいけど…。
最近、基礎体温つけてないんだ。」
柾樹さんは私の耳に顔を近づけると、囁いた。
「そんなの、関係ない。
最近ほとんど触れてないから、梨香不足で死にそう…。」
柾樹さんに愛されてるんだって分かったら、すごく安心した。
その晩、柾樹さんの腕の中で見た夢は…。
私と柾樹さんが、交互に赤ちゃんを抱っこしてる夢。
いつか、実現すると良いな。