サンタクロースの贈り物(クリスマス企画)

「どうしようっ、寝坊した!!」



最近続く夢見のせいか、だるい身体を起こしてキッチンへ向かう。



「梨香、おはよ。」



既に柾樹さんが、朝食を済ませていた。



「あ…先生、ごめんね。

お弁当、後で学校に届けても良い?」



「今日、午前中で学校終わりだよ。」



「あれ…?」



「おい、大丈夫か?

ここんとこ毎晩魘されてるようだけど、悩みあるなら聞くぞ。」



「…別に、無いよ。」



嘘、大あり。



押入れのスポーツバッグの中に、ラブレター隠してたところを見ちゃったんだ。



昔みたいに、いっぱいキスしてくれなくなったよね?



ベッドに入るとき以外、ぎゅって抱きしめてくれることもなくなったし…。



結婚して7年余り、幸せだった…はずなんだ。



柾樹さんのために、ご飯作って、お洗濯して、お掃除して…毎日楽しかった。



私の世界は柾樹さん中心で回ってるのだから、もっと構ってよ。



今は私のこと、どう思ってる?



ハウスキーパー?



子供を作る道具?



心に渦巻く感情を吐き出したくても、目の下にクマを作ってる人に言えるわけない。



私はまだ、愛しているから…。











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