冷徹上司の過剰な愛
居酒屋を出て歩き出そうとした時、「蓮美っ、」と難波さん。



「こっち…着て帰って。あとこれも巻いて。」



となぜか有馬のコートを奪われ、その代わりに難波さんのコートとマフラーが渡された。



「あの、難波さ「気をつけて帰れな。」



それだけ言い残すと、再び居酒屋の中へと姿を消した。


っ、……難波さんの匂いがする…。


コート、それからマフラーから難波さんの匂いが。



「…好き……難波さん。」



難波さんのマフラーに顔を埋め、好きという気持ちを噛み締めると、家路についた。


帰るなり、すぐにハンガーにコートを掛ける。


難波さんの私物がうちにあると思うと、なんだかニヤけてしまう。


…あ、有馬のコート……難波さんどうするつもりなんだろう?…ごめん有馬。せっかくのご厚意を。


と思いつつも、難波さんの優しさのほうが今は嬉しくてたまらなかった。


次の日、難波さんのコートとマフラーは紙袋に入れ出社した。
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