Secret Investigation
私は、既に警視総監に渡していた資料を開き見て貰いながら説明していく。


「まず、私が捜査を依頼されていたのは反社会組織、それもここ数年で急拡大しているテロリスト集団の捜査及び検挙です。

既に何名か検挙者もいますが、いずれも末端の人間。しかも、警察内部しか知り得ない捜査状況や検挙日等が既に知れ渡っているのでは無いかというところから秘密裏で捜査を行う必要がある。
それを全て私に一任するというのが警視総監からの通達です。

警視総監、ここまでは間違いありませんよね。」

私は警視総監に答えを求めるべく顔を見ると微笑んでいた。

「あぁ、間違いない。」

私は再び、福本凌太の方を見る。

「この秘密裏の捜査は既に5年続けられています。そして、警察内部にいた協力者が判明したのです。

それが、こちらの資料になります。」

福本凌太に見せた資料には、これまで福本凌太が警察の権限で逃した事件資料や、捜査資料の閲覧履歴、さらには警察内部状況をコピーしたと思われる形跡等、テロリスト集団に渡していたであろう情報と一致するものの形跡があった。

「これは、テロリスト集団に渡ったと考えられる情報と一致するな。どういうことかね福本くん。」

福本の顔を見ると同様するどころかそれがどうしたと言った、自分には見に覚えのない顔をしていた。

「警察関係者なのでテロリストを調べる過程でこの情報を閲覧するのは何もおかしくないかと思いますが。」

そう、その通りだ。普通なら何もおかしくはないのだ。
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