幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
「と、いうことで、今日は変装することにしたの」
「ああ、うん。分かったよ。一椛の気持ちは」
言いながら、貴晴さんは笑いをこらえている。
肩が揺れてるし、表情筋もゆるゆるなんですけど!
「もー、笑わないでよ! 私真剣なんだからね。 もしも貴晴さんの結婚相手が私ってバレたら、刺されそうだもん」
「そんな過激なやつ、即刻クビにするから安心しろよ。ってか、そうなる前に一椛のことは俺が守ってやるって。だからそんな、怯えなくても…ふっ、」
社長の口からクビにするとか簡単に言わないで頂きたい。信用問題に関わりかねないんだから。
ていうか、ほんとに呑気なんだから貴晴さんは!
「それは心強いけど〜!」
「とりあえずそのサングラスは外せって。逆に目立ってるから、絶対」
「そうかなあ…」
いつもと服の系統を変えて、マスクにサングラスまでしてきたけれど貴晴さんには不評だったらしい。
だって今日は新居の内見だから、いつにも増して身をひそめないといけないと思ったのに。
けれど、貴晴さんに逆に目立つと言われてしまったので、サングラスは素直に外してカバンにしまった。