幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
社長は女性に人気ですし、引く手数多でしょう? 奥様も不安になってしまうことがあると思います。 心当たりはないんですか?」

女性関係…ということか。
側近で、一椛も絡んでいることとすれば……。俺が答える前に、佐原さんがふぅ、と息をつく。

「あるんですね。 奥さまも大変だわ。ハイスペックな旦那様を持つと。 そういうときは、社長。とにかくご自分の気持ちを伝えてあげてみてください。『好きだ』って気持ちを。きっと、奥様も喜びますよ」

女性というのは、妙に勘が鋭いよな。
俺、まだ何も言っていない。

とはいえ、そうか。一椛は、アンのことを気にしているのか?
この間、彼女と食事などには行かないのかという質問をされた。

それも関係あるのか。

「気持ちを伝える、か。そうだな。ありがとう、今夜にでも伝えてみるよ」

佐原のおかげで新たな視点を獲得した。
やはり女性の意見は貴重だ。

「それでは、早く帰社して仕事を片付けてしまいましょう」

「ああ、そうしよう」

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