すずらんに幸あれ!
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「おい、弁当リビングの机に置いたままだぞ」
「……」
次の日の朝。
身支度を終え、玄関に向かおうとすると、後ろから突然すずくんが話しかけてきた。
「おい、聞いてんのか?」
「……」
名前ではなく、「おい」という呼び方にムッとして、すずくんを睨む。
そそくさとお弁当を取りに行き、鞄の中に押し込んでから玄関に戻った。
「? おい……」
「……お弁当、教えてくれてありがとう」
ローファーを履いて、私は勢いよく振り返る。
「私、『おい』って名前じゃないから!『蘭』って名前だから!!すずくんが名前で呼んでくれるまで、私もすずくんみたいに無視するもんねっ!!」
「すずくんのばーか!」と言って、すずくんを置き去りにしたまま家を出た。