丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
慌てて、鈴嶺を追いかける凱吾と宗匠。
会場に入ると、既に鈴嶺は沢山の男性に囲まれていた。

凱吾・宗匠「鈴嶺!!(鈴!!)」

鈴嶺の方に向かおうとすると、凱吾と宗匠は女性達に囲まれた。

「羽柴様、不破様!!」
「みんなで、お話しましょ?」

凱吾・宗匠「は?」

ただでさえ、機嫌を損ねている二人。

鈴嶺が男性に囲まれていることに、嫉妬している凱吾。
宗匠も鈴嶺を大切に思っている為、自分が認めた男性以外が関わることを嫌悪する。

その上女性に囲まれ、しつこく声をかけてくる。

二人は更に、苛立ちが増していた。


凱吾「退け」
宗匠「邪魔だ」

絶対零度の視線で見る凱吾と、睨み付ける宗匠。
取り囲んでいた女性達が、サッと退いて真っ二つに別れた。

綺麗に鈴嶺までの道ができて、その間を歩く。

そして、鈴嶺を取り囲んでいる男性達にも一喝した。

凱吾「退け」
宗匠「お前等、邪魔だ」

男性達も、二人の恐ろしさに後ずさった。


そして一瞬で表情を柔らかくして、微笑んだ二人。

凱吾「鈴嶺、ごめんね」
宗匠「悪かった、鈴」

凱吾・宗匠「だから、嫌いにならないで?」

鈴嶺「うん!わかってくれればいいんだよ!」
そんな二人に鈴嶺は微笑み言う。
凱吾と宗匠も、鈴嶺の笑顔にホッと肩を撫で下ろすのだった。


佐木「お嬢様、凱吾様、宗匠様。
お飲み物をお持ちしますね!」

佐木が持ってきた飲み物を飲みながら、楽しんでいる三人。

三大財閥なだけあり、とても目立っていた。
そして、三人が集まると基本的には誰も声をかけてこない。

それだけ、三人が凄まじいオーラを放っているからだ。

利美「………不破様」
そんな中、利美が声をかけてきた。

宗匠「あ?」

利美「あの、私も……」

宗匠「は?」

鈴嶺「ん?宗くん、こちらは?」

宗匠「あー」

利美「あ、初めまして!
佐々江 利美と申します!
不破様とは、その…以前、お見合いで……」

鈴嶺「そうなんですね!
じゃあ、佐々江さんも一緒にお話しましょう!」

利美「いいんですか!?」

鈴嶺「もちろん!」

そしてそこに佐木が「お料理を向こうのテーブルにセッティングしました」と声をかけてきた。

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