丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
兄と妹
今日は、財閥や資産家が集まるパーティー。
もちろん羽柴・宝生・不破財閥である、凱吾、鈴嶺、宗匠も出席する。
(三人の親達は、今回は出席しない)

パーティー会場があるホテル。
ロビーのソファに宗匠が座り、凱吾と鈴嶺を待っていた。

宗匠「━━━━つか!オセーよ、凱鈴!まだ来ねぇのかよ……!」
呟き、先にに会場に行こうと立ち上がる。

◯◯「あ、不破様?」

宗匠「あ?」
(誰だ?こいつ)

◯◯「フフ…佐々江(ささえ) 利美(りみ)です。
覚えてますか?」

宗匠「あぁ。あの時はどうも」

利美は、宗匠が二十歳の時にした見合い相手だ。
宗匠にはその日の内にきっぱり断られたが、利美は宗匠を秘かに思い続けていた。


利美「会場に行かれるなら、一緒に行きません?」

宗匠「あ、あぁ」

宗匠は、利美と共に会場に入った。


「見て!不破様よ~」
「カッコいい!」

「不破様、こんにちは!」
「お久しぶりですね!」

宗匠「あぁ」

あっという間に女性に囲まれる、宗匠。
めんどくせぇ…と思いながら、苦笑いをする。

宗匠(凱鈴、早く来いよー!)

利美「不破様、何か飲みません?
私、取ってきますよ?」

宗匠「だったら、俺が取ってくる。
女に取りに行かせるかよ」

利美「は、はい/////」


宗匠「ん」
利美「ありがとうございます!」

利美は、宗匠との時間にうっとりしていた。

利美「あの…不破さ━━━━━」
宗匠「あーもー、凱鈴はまだかよ!!」

利美「え?え?不破様!?」

そう言って、宗匠は会場を出ようと出入口に向かった。



ロビーに向かい、ホテルを出ようとすると………

鈴嶺「宗くーん!」

そこに、佐木を控えさせた鈴嶺と凱吾が現れた。

宗匠「━━━━オセーよ!」
鈴嶺「ごめんね!」

宗匠「“また”お洋服が決まらなかったのか?」

鈴嶺「え!?なんで、わかったの!?
宗くんも、エスパー?」

凱吾・宗匠「違うよ!(チゲーよ!)」

凱吾「鈴嶺、そんなわけないよ。
ほら、同窓会の時にそうだったから、宗匠はそう思っただけ」

宗匠「そうそう!バカでもわかる」

鈴嶺「ば、バカ!?」

凱吾「おい、宗匠!!
お前、また鈴嶺をバカにしたな!!?」

宗匠「は?
だいたい!エスパーってなんだよ!!」

凱吾「は?お前は、エスパーを知らないのか?
お前の方が、バカだろ!」

宗匠「あ?」

鈴嶺「ちょっ…二人共!!」

いがみ合う凱吾と宗匠。
鈴嶺が慌てて、二人の間に割って入り止めようとする。
しかし、背の高い凱吾と宗匠に潰されてしまう。

弾みでドン!!と突き飛ばされ、尻もちをついてしまう。
鈴嶺「キャッ!!?」

佐木「お嬢様!!?」
凱吾・宗匠「鈴嶺(鈴)!!?」

慌てて駆け寄る、凱吾達。

鈴嶺「もう!喧嘩する二人は嫌い!
━━━━佐木、行こ?」

そう言って鈴嶺は、佐木を連れ会場に向かってしまったのだった。
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