本気で"欲しい"と思った。〜一途なエリートドクターに見染められました〜
そして、お見合い当日。
お昼からの予定のため、朝から訪問着の着付けをする。
家が家のため、昔から着物を着る機会は多い。
着付けはお手の物だ。
淡いピンク色に上品な花柄が施されたお気に入りの訪問着。
愛美がお見合いの時に着た着物も由麻が着付けしたのを思い出しながらキツめに帯を絞めた。
いつもより上品に見えるようにヘアメイクは行きつけの美容室の美容師さんにお願いした。
「由麻ちゃん。今日は一段と綺麗ね」
「そんな、お世辞はやめてください」
「お世辞なんてまさか。……とっても綺麗よ」
担当美容師の小松さんがしみじみと言ってくれるものだから、由麻は何度も鏡の中の自分を見つめる。
そこにはいつもより二歳くらい大人に見える自分の姿が。
ベージュでナチュラルに陰影をつけたアイメイク。コーラルピンクのリップとチークが程良く血色をよく見せてくれている。
見入っている由麻の肩にポン、と優しく置かれた手。
「自信持って!行ってらっしゃい」
「……ありがとうございます。行ってきます」
笑顔を返し、由麻はお見合い会場へ向かった。