虹色のバラが咲く場所は

106話 雪希!

土曜日、教室に行くとみんな教卓で先生から赤いはちまきを受け取り巻いていた。
僕も受け取り蝶結びにして前髪を出す。
今更だが僕たちは1組。各学年2クラスで
1クラス20人前後だ。

各学年1組が赤組、2組が白組に
分けられている。
応援団、徒競走などプログラムが
行われていき、因幡の白兎になった。

クラスで1番背の高い神谷くんがセカンダリーで手を軽く握り、背中を渡っていく。
白線のところまで行ってUターンして
帰ってくる。
Uターンしてもう少しのところで、
神谷くんの手が思い切り、下に下がった。
頭が真っ白になって、
気づいたら横になっていた。
「・・・っ!」
すぐに起きあがろうとしたが足首に痛みが
走った。

(っ、捻挫か?でもこのまま
終わりたくない、)
足に力を入れて立ち上がり、砂を払って
もう一度背中を渡る。
やはり、2組が先にゴールしてしまったが
最後まで渡り切る。

「ごめん、」
「だ、大丈夫!まだまだ種目は残ってるし」
(先輩たちの種目がしばらく続いて、
午前中でやる1年もやる種目は
ソーラン節か。大丈夫かな、
足やられないかな、)
せめて午前中は出ていたい。

先輩たちの徒競走、障害走を行いソーラン節
になった。リュックからはっぴを出して、
羽織りながら入場門まで右足に気をつけながら走る。
入場門から校庭に入り広がる。

構え!で足を開くが正直足より腰がキツい。
左足を軸に後ろを向き、また左足を軸に前を向く。今度は逆で痛みでよろけそうに
なったがなんとか耐えた。
足を広げてジャンプしながら腕を上げていく
ところが1番キツかった。

ソーラン節が終わり、午前の部が終了。
みんな観客席に行って、行かなかったのは
僕くらいだ。辺里くんも観客席に行った。
僕も誘われたが団欒を邪魔するのは、と
思いお断りした。

電車で1時間かかるからばあちゃんたちは
来れないし。
国旗掲揚台の階段でお弁当を食べる。
(みんな、お弁当食べたり、屋台でかき氷とか食べてるんだろうな。午後、どうしよう)
お弁当を傍に置いて、靴下の上から軽く触るとかなり腫れているのがわかる。
(目玉といってもいいリレー、
僕がいなかったら辺里くんは
1人で走ることになる)

悩んでいると
「雪希!」
慌てて靴を履き声がした方を見ると
「類!?」
類は片手にお弁当を持っていて、
肩掛けリュックを背負っていた。
「え、な、なんで」
「雪希の勇姿をみにきたんだよ」
「勇姿って大袈裟だよ」
隣に座りお弁当を広げ始める類。

「というか、大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、ここに来るまで先生数人と
すれ違ったけど何も言われなかったし。
それよりも雪希の方が大丈夫?」
「え、何が?」
「足、背渡りの時、絶対打ったでしょ」
「見て、たんだね。類は明日だっけ?」
「うん、予行は昨日やって今日を挟んで明日
本番。
舞たちも今頃は昼休みじゃないかな」

会話は止まりお互いにお弁当が食べ終わり
片付けが終わると
「雪希、ちょっと乱暴するね」
「え、」
類は右の足首を力強く掴み、靴を取った。
< 106 / 267 >

この作品をシェア

pagetop