虹色のバラが咲く場所は

111話 天才

舞たちの運動会が終わり残るは俺の運動会
のみ。
翌日、徒競走、障害走、ソーラン節と
蓮たちもだったであろう競技が進められて
いく。

(面白くない、徒競走も障害走もただ
走ったり、紙に書かれたことをやるだけ。)
なんて考えてるから楽しめないんだろうな。
綱引き、ソーラン節、一年生のダンスに
三年生の徒競走。

午前の部は終わり、1人でお弁当を食べようとしたら
「なぁ、類」
隣のクラスの奴に話しかけられた。
「なに?」
(珍しいな、話しかけられるの)

「類って運動会、楽しくないの?」
「え、いや、そんなことないよ。
みんなと競えるのは楽しいよ」
作り笑顔で答えると
「ねぇ、お昼、一緒に食べていい?」
「え、うん」
彼は隣の椅子に座った
「アイドルやってるってほんと?」
(ストレートだな)
「ほんと」
「楽しい?」
「楽しいよ。俺たちの歌でダンスでファン
が楽しんでくれる。
うまくいかなくて悩むこともあるけど
それでもやりたいって思えること。」
「そっか、アイドルと運動会って
同じなのか。」
「同じ?」

「うん、頑張る俺たちをみて観客が楽しく
なる。競い合って優勝を目指して頑張って
いる。アイドルだってファンはステージを
みて楽しくなる、競い合って優勝を目指して頑張る。どう、似てると思わない?」
「そう、だね」

(ステージは毎回同じじゃない、
セットも違う。みにきてくれる人も違うか
としれない。)
考えているとクスクス笑った

「天才って聞いてたから話してみたかったけど隣のクラスだし、なかなか話せる機会なかった、いや、本当は少し怖かった。
凡人がどうのって言われそうで。
でも話してみたらそんなことなくて、
同じ学生だなって。」
「天才、かぁ。ねぇ話変わるけどさ、
おすすめの漫画ってある?」
「ほんとに話ガラッと変わるね。
おすすめ、俺が好きな漫画の話だけど、
その作品は全3巻で完結してるんだ」
「読んで、みようかな」
「読み終わったら感想聞かせて」
「うん、待ってる」

昼休み終了直前、プログラムを確認すると
(学年対抗リレー。・・・雪希も走ってたな)
入場門へ行くき、走者ごとに校庭側と校舎側に分かれる。
「類くん、アンカーでしょ、
任せて大丈夫なの?」
「大丈夫、あいつ天才だから」
(勝手に押し付けといて心配って、いい
ご身分だなって思う。そんなにいうなら自分が立候補すればよかったのに。
なにが天才だよ。)
準備をしてリレーがスタートした。

「あれ、類くんもアンカー?」
周りの陰口を割るように昼休み話してた奴、
今井が話しかける。
「うん」
「頑張ろうね。俺、手抜かないから」
「それはこっちもだ」
(俺に向かって抜かないでと言われるかと
思った。手抜かないで本気でやってくれるって思ってるのかな)
そう思うと嬉しくなる。

第四走者にバトンが渡り今井と準備する。
「今井!」
「蒼葉!」
同時にバトンが渡される。
抜かして抜かされてを繰り返す接戦で
アナウンスも力が入り、観客も
盛り上がってる。
そして接戦の末、
勝ったのは俺。

「おつかれ、類」
「今井もな」
今井は顔の高さに手を上げた。
「ん?」
「ハイタッチ!やろうよ」
「いいよ、」
ため息をついたが内心浮かれている。
パチンと音を立てる。

その時、俺の年相応のはしゃいだ顔に女子
数人が落ちた、らしい
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