虹色のバラが咲く場所は

134話 面白いもの

「誰だってその人の目標や夢を潰していい
権利はない!
自分本意の考えで舞の目標を潰して舞が
笑えなくなっても!
あなたは知らないフリして舞の隣で笑うのか!?」

少しして正気になり
「・・・すみませんでした」
掴んでいた手を離した。
咎める事なく制服を直して
「君は彼女を恋愛的に好きになったとして
告げるつもりはないのか?」
「多分、告げないと思います。
関係にヒビが入ったら俺たちは
変わってしまうので」
~回想終了~

「俺はよく分からない」
「は?」
「今まで恋愛的に好きになった事はないから仲間と恋人の線引きが分からない」
「あー。そういう感じか」
類は残念そうに呟いた

「でも、あの時の舞の言葉を借りるなら
たとえRainbow Roseが解散しても
一緒にいたいと思ってるから、好き、
なんだと思う」
(これが今の俺の精一杯の言葉だ)

恥ずかしくなり何まらも類の顔を見ると
ニヤけていた。
「な、なんだよ」
「いやー?外ではクールぶってるのに
意外と純情でウブなんだなって」
「うるせえ。そういう類はどうなんだよ。
類も聞かせろよ」
きょとんとした類を見ると殴りたくなる。
「え、蓮はどうなの?って聞いただけで
俺は答えるなんて言ってないけど」
「・・・はあ!?」

席を立ち笑いを含みながら類は言った。
「面白いものが聞けたから俺は満足。
大丈夫、誰かに言うつもりはないよ」

ドアの前で
「舞を恋愛対象で見てるのは蓮だけじゃないから気をつけて」
意味深な言葉を吐いてドアノブに手をかけた瞬間、ノックの音が響く。

「類、ちょっと相談が・・・。
あ、タイミング悪かったね。
また後で来るよ」
舞は言いながら入ってきたが、俺がいたから気を使ったのかすぐに出ていった。

(俺がいたらダメなのか?)
「蓮、ちょっと台本の相手役、
頼んでいい?」
「え、うん。台本って?」
類に渡された台本、キャストのページには
ナギサという名前の隣に類の名前がある。

「すごいな!ドラマ出演なんて」
「そんな事ないよ
出演っていっても脇役だし」
そんな事ないと言っても類は嬉しそうに
笑った。

「ナギサは主人公のクラスメイトの1人。
ここから先はネタバレになるから
やめとくよ」
「ネタバレを恐れてるのに、俺が読み合わせ相手でいいの?」
呆れるが類は気にしてないようで
「大丈夫、ナギサはかなり序盤で
フェードアウトするから」
(それもかなりネタバレになるのでは?)

付箋の貼ってあるページを開く。
(友達との会話シーン、俺はリク役か)

類は咳払いをして
「ねぇ、リク。あの噂って本当だったの
かな?」
「どうだろうな、でも火のないところに煙は立たないっていうし、防衛しといて
損はないだろ」
「松田さん、入院してるけどそれも関係
あるのかな?」
「さぁ、俺たちがどうこう言っても
できることなんてたかが知れてる」
「そう、だね」
(すごいな、目の伏せ方も息の吐き方も
本当に諦めてるみたい)

「ここだけ?」
「うん」
「思ったより少ないんだね」
「言ったでしょ?脇役だって」
台本を最後までめくろうとすると台本を取り上げられた。
「あ、」
「これ以上は、実際にドラマを見てお楽しみください」
(絶対に嘘ありそう)
「分かったよ。いろいろ聞いてくれて
ありがとう」
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