虹色のバラが咲く場所は

201話 危険さ

「舞、そういうのサラッというのは
良くないよ」
「え、なんで?
いつもと変わらないでしょ?」
「それはそうなんだけど」
「大丈夫!
この3日は翔帰ってこないし
気にしないでいいよ」
「そうじゃない・・・
むしろそれはもっとまずい」
あまりの危機感のなさに天を仰ぐ
しかない。

(俺たちに対してガード緩すぎない?!
もちろん善意なのはわかるし
信用してくれてるのは嬉しい。
でもそれとこれは別!)

「舞、他の異性には言わないよね?」
「もちろん、類と雪希以外に言わないよ。面倒ごとになりそうだからね」
分かってるようなドヤ顔に本気で
心配になる。

「舞、身内以外の異性を家に誘う
危さ分かる?」
本気で首を傾げる舞にその危険さを
教えようと思った。

壁際に追い詰めて、肘を壁に音を立てて
突き迫りできるだけ冷たい声と表情を
つくる。

舞の方が身長低いから当たり前だけど
見下ろす形になる。
「男を家にあげるって極端に言えば、
こんなことされても文句言わないって
ことなんだけど」

舞は固まって俺を見るがすぐに
ハッとした。
「ごめん、私が軽率だったね。
これからは簡単に異性を
上げないようにする」
「分かってくれたようで良かったよ」
俺は離れて歩く

「昨日、茉里にメールしたらこっちに
帰ってきてるんだって。
まぁ、茉里もいるし気まずいことは
ない、と思いたい。
3日くらい頑張ってみる。
じゃあ、気をつけて帰りなよ」


後からじわじわと湧き上がってくる
恥ずかしさを気づかれないように
早歩きで駅に向かう。

「どうしたの?蓮。
そんな下向いてると酔うよ」
羞恥しかない。
(そうだよ、恥ずかしすぎてあんなこと
言ったけど同じ地区じゃん。
舞が気づいてないだけマシか)

(何言ってんだろうとは思ったけど
この落ち込みようは知らないふりした方
が良さそう)

駅で降りて今度こそ別れる。
家に帰り緊張しながらチャイムを鳴らす
どうぞ、という声に中に入ると
出迎えたのは茉里。

「おかえり、お兄ちゃん」
「ただいま、茉里」
安心して肩の力が抜けた。

「たまきさんとかよさんは?」
「2人とも買い物に行ってる。
そろそろ帰ってくると思うけど」
「と、」
「お父さんだったら出張でしばらくは
帰ってこないよ」
聞きたいことを先に答えられて
黙るしかない。

いつまでも玄関にいるわけにはいかないから靴を脱いで荷物を部屋に置いてから
リビングのソファに座る。

「何飲む?」
「あ、なんでもいいよ」
出されたお茶をテーブルに置いて茉里は
隣に座る。
「梅原にしたんだね、進学」
「うん、スミレ女子校で目の敵にされたら嫌だなって。女子の嫉妬はすごいからね。万が一を考えてた梅原にした。」
「なんかごめん。少し、というは半分
くらい俺が理由になって」
「別にいいよ。どっちに進学しても
大変なことには変わらないと思うから」

そう言うとテーブルのお茶を一口飲んで
またテーブルに置いた。
「お兄ちゃんはどう?最近」
「忙しいよ。どうしても戦いたい人
たちと戦うために、予選を突破しようと挑戦している最中」
「そっか、なんか安心した」
ふわっと効果音がつきそうな笑顔。
(茉里の笑顔。久しぶりに見たな)

「「ただいまー」」
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