虹色のバラが咲く場所は

250話 水入らず

「舞~。」
「翔」

数日後、急に翔からの呼び出しで
指定された場所へ。

せっかくだから卸したての靴を
履いてきた。

「で、何?」
「今まで一緒に出掛けられなかった
だろ?急に俺の予定が空いたから
舞と遊ぼうと思って!」

ニコニコと笑う翔に頭を悩ませて
ため息をつく。
「バレたら問題なしってわけじゃないんだけど・・・まぁ、いっか」

「そうだ、俺のSNSに載せていい?」
「絶対やめて」
「即答!」

「ていうか、翔。
いいの?変装しなくて」
翔はカジュアルな服装で伊達メガネすら
してない。

「うん、だって後ろめたいことないし」
「人に囲まれても知らないよ」
「さぁ、行こう行こう」
「ちょっと、」

私の肩を押して歩かせる。
「それで今日はどこにいくの?」
「ついてからのお楽しみ」

ついた場所はショッピングモール。
中にある映画館で今流行っている
SFアニメを見る。

チケット代の飲み物は私の分までお金を
出してくれた。
チケットを渡された時、返そうと
思ったが俺が誘ったんだから、
と断られた。

終盤で声を荒げてビンタするシーンは
驚きで肩が揺れる。
隣で声を出さずに笑っている翔
を無視して映画に集中した。

2時間近い映画。
エンドロール後のおまけもしっかり見て
明るくなってから退室する。

「お昼はどうする?」
「あんまりおなか空いてないんだよね」
「まぁ、俺もだけど」

フードコートに片方が買いに行ったら
片方が荷物の見張り。
戻ってきたらその逆で
私はリングドーナツ1つとカフェオレ
翔は小さなサイズのうどんとお茶。  

次は、アパレルショップ。
「これとこれ」
「次、これ着てみて」
「このトップスなら、ボトムスは」
かわいい系、ストリート系、スポーツ系
の他にもさまざまなジャンルで
着せ替え人形にさせられてるが
どのジャンルも悔しいけどセンスが
いい。

「やっぱり舞はすごいな。どのジャンルの服装にもしてもそれに合うように
仕草や表情を変えて。」
「そう、かな」
翔は心底嬉しそうに写真を撮る。

私はこれから時期に着ることになる、
薄手のグレーのカーディガンと、
茶色と白のギンガムチェックの
スカートを買ってもらった。
もちろん、私からねだった
わけじゃない。

そのあとはゲームセンターに行って
ダンスゲームで勝負した。
翔は1番上のSSSランク、
私は一つ下のSSランク。

ここでも差を思い知らされたが
辛くない。むしろ超えてみせると
ワクワクしている。

他にも、雑貨を見たり本屋さんに
行ったり楽しかった。
最後に行ったアイス屋さん。

「ねえ、それ一口ちょうだい」
カップを差し出すと、スプーン少し
掬って自分のカップを差し出した。
私は少し多めに掬う。

レモンのさっぱりとした味で
美味しかった。
最後に翔のスマホで2人で自撮りする。

「ねぇ、これ俺のアカウントで
載せていい?」
「・・・別にいいけど」

家の近くまで送ってくれる翔。
実は、靴擦れができて地味に痛い。
(履き慣れない靴できた私が
完全に悪いんだけどね)

「舞、どうかした?」
「え、いや何もないけど」
翔は屈んで足首を触る。

「つ、」
痛みで足を上げる。
察したように前を向いてしゃがむ。

「え、」
「いいから乗りなよ」
(この歳になっておんぶとかすごく
恥ずかしい)

でも体は正直でゆっくり翔の背中に
体を預ける。
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