虹色のバラが咲く場所は

80話 すみませんでした

レッスン場へ息を切らして入ると、
みなさんお怒りで。
「学校生活まで口出しするつもりはないけどせめて、放課後は急いでくれないと。
こちらもいろいろと都合があるの」

仁王立ちする杏奈さんと杏子さんを目の前に正座する僕。杏奈さん達の後ろににっこりしているが、明らかに怒ってる舞たち。

「すみませんでした」
杏奈さん達からのプチ説教が終わってから
舞達の方へ行き謝ると
「それよりどうなったんだよ」
つっけんどんに蓮は聞いてきた
「え?」
「だから、その学校」
「大丈夫、友達ができたから」
「そう、か」
(蓮、みんな以上になんか怒ってる)

「蓮、ずっと雪希のこと心配してたんだよ」
舞は小さな声で耳打ちした。
「休憩のたびに出入り口を
うろうろしててさ」
類は僕の頭に肘をおいて言った
「聞こえてんだよ、舞!類!」
振り返った蓮の顔は赤くなっていた。

「心配してくれてありがとう、」
「別に、そんなんじゃ・・・」
蓮は視線を泳がせて言った。
「はいはい、休憩は終わり、みんなに
報告がある」
杏子さんは手をパンパンと打ち、僕達に
話しかける。
「どうしたんですか、杏子さん」
そう言った類の顔はニヤついた。
「類、 
あなたは検討がついてるんじゃないの」
「ライブ、ですよね。」
「ご名答」
「「「ライブ!」」」

「無料ライブと生放送でかなりの他の事務所の人が目に止めたみたいで、うちのイベントに参加してくれませんかって。デビューライブと同じくらいの規模なんだけど。」
「やらせて下さい!」
「類ならそういうと思ったよみんなも乗り気でしょ?」
「「「もちろんです!」」」

レッスン終了後の帰り道。
「雪希、もう自分を見失ってない?」
「類、うん。もう大丈夫」
類の問いに目を伏せ、
自分に言い聞かせるように答える。
「そうか」
「ねぇ、」

先を歩いてた舞は振り返り後ろ歩きしながら
「今度のライブが終わったらさ、遊びに行かない?たまにはさ息抜きも大事だよ。
映画見たりショッピングしたりさ。」
「舞、前向かないと転ぶぞ」
楽し気に話す舞に蓮はため息を吐き注意する

「大丈夫だよ。あ、」
滑った舞を咄嗟に蓮は支える。
「言ったそばからなんで転びかけるかな」
「ごめん、蓮」
顔を近づけて小言を言う蓮に
舞は苦笑しながら謝る。
「いいな、」
「雪希?」
ボソリと呟いた言葉に類は反応した。
「あ、なんでもないよ」

(アイドルは恋愛NG。これは当たり前。
自分に言い聞かせても気持ちは膨らむ
一方で。でも想うことくらいいいよね)

翌日、学校でテスト結果が廊下に
張り出される。
1位 中原 雪希 893点
2位 西宮 春馬 845点
3位 辺里 咲  835点
    :
:
(辺里くんって咲って名前だったんだ!!)
正直、学年1位よりそっちに驚いた。
「やったな、中原」
名前を呼ばれて振り向けば
「宮本くん」
「すごいな、学年1位」
感嘆の声を出した彼に
「まぁ、頼れる仲間が3人もいるからね」
最高の笑顔で言うと彼はキョトンとしたが
すぐに柔らかく笑って
「それは羨ましいね」
と答えてくれた。

そして
「辺里って咲って言うんだね」
「それ、僕も思った」
放課後、寮で聞くと
舞 896点 学年1位
蓮 898点 学年1位
類 900点 学年1位
だったらしい
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