虹色のバラが咲く場所は

95話 happy birthday

すっかり忘れてた。
翔の誕生日。
寮で悩むこと数十分。
スマホで色々探してみたが納得のいく答えが出なかった。

「翔さんの誕生日、ねぇ」
悩んでいると類が顔を出す。
「類だったら何が欲しい?」
「俺?俺は、・・・参考書?」
「いや、誕プレで参考書はどうだろう」
(そういえばみんなの誕生日知らないな)

「ねぇ、類」
「ん?」
「類って誕生日いつ?」
「俺?俺は9月2日」
「そうなんだ。あ、蓮、雪希。」
ちょうど下りてきた2人を呼び止める。
「2人って誕生日いつ?」
「俺は12月8日」
「僕は8月の3日」
「春夏秋冬なんだ。ちなみに私は5月4日」
「ばらばらだな」
今日は25日、翔の誕生日は27日、ってことは
「「「来週じゃん!!」」」
(最近ハモること増えている気がする)

「言う必要ないかな、って。
実際去年は色々忙しかったし」
はにかみながら答えた雪希。
「それは、そう、だけど」
「まぁ夏休み中だから、どう頑張っても
プレゼントとかはなかったしね」
(まぁ8月生まれだとそうなるよね)

「というか去年はどうしたんだよ、
翔さんの誕プレ」
「わす、れ、てた」
「は?」
「翔の、誕生日、すっかり、忘れてて、
何も」
声が小さくなる私に蓮は震えた
「バカか!!」
「えー!!なんで蓮がキレるの!?」
「いつ祝えなくなるかわから、」
急に口をつぐんだ。
「蓮?」
「いや、なんでもない。」
キレたと思ったら静かになって情緒が
わからない。

「人の後悔は知らないでいい」
小さすぎて聞こえなかった言葉。
でもその蓮の表情が引っかかる。
やりきれないような、寂しいような
そんな表情。
(蓮?)

「ま、まぁとにかく、考えろ。
翔さんを1番知ってるのは他でもない舞
なんだから」
「うん、そうだね。・・・
翔って彼女、いるのかな」
そう言った瞬間ジュースを飲んでいた雪希と類が吹き出した、
「うわ、汚い。仮にもアイドルだからさ
イメージダウンになるんじゃないの?」
「その原因を作ったのは誰だ、」
咽せながら類が反論して
雪希がすごい勢いで首を振る。
「ていうか翔さんに彼女いたら大問題じゃ」
「上手いこと隠れて付き合ってたり・・・
ないか」

控えめに言った雪希に便乗したけど
そんなに器用じゃないと思って否定した。
「ないない、脱線してないで元に戻すぞ」
蓮の声で再び悩む。
「お財布とかタオルとか?」
「もう持ってるだろ?」
「ボールペンとかネクタイピン?」
「ボールペンも持ってると思うし、
ネクタイピンは使うかな?」
案を出すも蓮と雪希に一蹴された。

「あえてお菓子とか消耗品が
いいんじゃないかな?」
「消耗品か。お菓子以外に消耗必要って
なんだろう」
類の意見に賛同したが何にしようか迷う。

でもふと思いついた。
「あ、あれを送ろう」
「舞?」
「教えてよ」
蓮と雪希は興味深々。
「それはーーー」

「あー、今日の収録も疲れた。」
「翔、バラエティー結構向いてるね」
「そんなことないよ、日向。
日向がうまく俺に振ってくれたから」
今日は朝からレコーディングやレッスン、
バラエティー番組の収録などなどパンパンのスケジュールを日向とこなした。

他のメンバーは違うことで忙しそうだ。
「翔」
「ん?」
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう、日向」
「流石にプレゼントは用意
できなかったけど」
「そんなことない、言葉だけで嬉しいよ。
日向」
寮に入ると、小さな箱が置いてあった。

「おかえりなさい。日向、翔。
それ翔当てに届いてますよ。
それと誕生日、おめでとうございます。翔」
部屋にいた涼太が出てきた。
「ありがとう、涼太。届け先が俺?」
ガムテープを剥がしてあげると金のリボンが縛ってある青い袋。
「翔、これ、どう見ても誕生日プレゼント
じゃない?」
「でも俺、公言してないよ」
不思議に思いながらも袋を開けると、
俺の好きなブランドの新作タオルと
ライブのチケットだ。
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