年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


ビックリした……。
今でも心臓がドキドキ鳴っている。

まさか園城さんに会うなんて思ってもなかったし、彼のあの行動……まるで咄嗟に手を出したみたいな。

掴まれた手は力強くほんのり熱を持っていた。

うるさく鳴る心臓を深呼吸して落ち着かせる。

しかし、頭には園城さんの姿がいつまでも残っていた。

少し見ないうちにまた痩せた気がする。
ちゃんと食べてるのかな?

心配になるけれど、さっきのカフェで園城さんの隣にいた女性を思い出してブンブン頭を振った。

そんなこと、私が心配することじゃない。

私たちはもう離婚している。今は新しい彼女が園城さんのことを考えているはずだ。


「沙織ちゃん、大丈夫?さっきの人と何かあったの?」
「う、ううん、大丈夫だよ。さっきの人は知り合いだったの」
「そうだったんだ、なら良かった」

それから朝日くんと映画を見て、その後お洒落なイタリアンに連れて行ってもらったけれど、話が頭に入って来なかった。

せっかく私のために予約してくれたイタリアンも、あまり味わえないまま終えてしまった。

前に進もうと、デートのお誘いを受けてみたのに、今日は園城さんのことばかりで、朝日くんに申し訳ない気持ちでいっぱいだ……。

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