クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
プロローグ


 まさか契約結婚の相手とベッドをともにするなんて、誰が想像しただろう?

 でも、もう言ったってどうしようもない。

 つい先日、私──山吹(やまぶき)七海(ななみ)の夫になったばかりの氷室(ひむろ)透哉(とうや)さんは既に私の上に覆いかぶさっているのだから。

「緊張しているのか?」

 鼓膜を震わせる低い声に、背筋がぞくりとする。

 答えたいのに何も言葉が思い浮かばなくて、彼をじっと見つめてしまった。

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