クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
『ヘリコプターって乗った事ないな。おもしろそう』

『乗りたいなら、俺からクルーに言うが』

『えっ、そんな急に乗れるものなの?』

『多少の融通は利く。オーナーだからな』

 彼はなんでもできてしまうのだなあと感心したり、引け目を感じたり、ヘリコプターへの興味をよりそそられたり……と頭の中が忙しなかったのを覚えている。

 もしも透哉さんとヘリコプターに乗ったらどんな感じだろう?

 考えてから、失敗したと反省する。

 彼とヘリコプターに乗るどころか、どう向き合えばいいかさえわからなくて、私の心はさまよい続けているのだ。

「どーしよ……」

< 107 / 250 >

この作品をシェア

pagetop