クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 だって、強く願ってしまったのだ。この人に女として深くまで愛されてみたいと。

「ああ、頑張ってくれ。……覚悟してくれ、と言ったほうが正しかったな」

 今夜は絶対に私をベッドから出さない、という強い男の欲望を感じ取ってひゅっと喉が鳴った。

 その瞬間、ぐっと押し広げられる。

「──っ!」

 知らない──と自分でもよくわからない感想で頭がいっぱいになった。

 こんな熱は、こんな痛みは、こんな悦びは知らない。

 誰かと肌を重ねるひと時がこれほど満たされるものだったなんて、知らない。

 わけもわからず助けを求め、私を混乱させている張本人にすがりつく。

「甘えるな」

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