クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 余裕を失ったかすれ声が私の耳を濡らした。びくりと肩を震わせ、彼にすがっていた手を引こうとするも、透哉さんは更に私の中へと進入する。

「──抱き潰してしまう」

 優しく、それでいて情熱的に私を求めながら、透哉さんが小さな声で呻くように言った。

 甘えるなとは忠告だったのだ。

 彼は私がそんな真似をしたら、優しくしてやれなくなると言っている。

 背中に爪を立ててもいいと言ったのは透哉さんではなかったか。

怖くなったら抱きしめても構わないという意味にしか取れないのに、いざ私がすがると矛盾した言葉を吐くなんて、どちらのほうが卑怯かわからない。

 しかし今の私に、ずるいと訴える心の余裕はなかった。

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