クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「車とか電車とか、窓ガラス越しに感じる空気と、実際に歩いて感じる空気は違うと思うんだ。だから歩くのが好きなのかもしれない」

 街のほうへ足を進めながら、イタリアでもしていたように透哉さんの手を握る。

 手を繋いで喜ぶなんて子供みたいだと自分でも思うけれど、こんな形でも彼に触れられるのがうれしい。

「でも、透哉さんは疲れる? もしそうだったらちゃんと言ってね。私も乗り物に乗るのが嫌いなわけじゃないから」

「ああ」

 透哉さんの返事は簡潔で短い。だけどこれは聞き流しているわけではなく、ちゃんと私の話を頭に入れたうえで返答している。

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