クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 以前は私に興味などなさそうだったのに、最近は彼の言動にも変化が訪れていた。

「透哉さんはどう思う? イタリアとギリシャを比べてみて」

「空気の匂いが違う気がするな」

「言われてみればそうかも。透哉さんの感想もおもしろいね」

 ようやく彼との間に流れる空気がやわらかくなった気がして、会話する時にほんの少し感じていた緊張も今はすっかりなくなった。

「またここでも街の散策をするのか?」

「うん、そのつもり」

「散歩が好きなんだな。イタリアでも歩きたがっていただろう」

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