クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「そうだけど……」

 曖昧な言い方になって、それきり会話が途切れる。

 だって彼がサプライズを考えていたなんて思うわけがない。私は契約関係で彼の妻になったのだし、一般的な恋人や夫婦がするような真似はしなくていいはずなのだ。

 ……透哉さんなりに私の事を考えてくれてるのかな?

 今日まで、彼は時間を無駄にしたくないとばかりになにもかもを急いだ。

 一人暮らしの家を引き払って引っ越しするのも、お互いの両親に顔をあわせるのも、結婚すると決めてからすぐに実行されている。

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