クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 式だって本来ならば半年から一年近くかけて準備をするのに、家族だけの小さなものにすると早々に決めて、あっという間に準備を整えた。

 籍だけは式の当日に入れたい都合があったようだけど、それ以外の事は本当に早かったのである。

 ほとんど形だけの結婚と変わらないから、さっさと済ませたかったのだろうと思っていたのに、ここにきてサプライズとは。

「責めたみたいでごめんなさい。ちょっと動揺しちゃって」

「いや、俺もすまなかった。あまりこういった事には慣れていなくてな」

 なぜか、とくんと胸の奥で小さな音が鳴った。

 慣れていないのに、わざわざ私を驚かせようと企画してくれたのだ。

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