激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
ゲージを挟んで見つめ合う。
その犬は「くぅん」と細く鳴きわずかに尻尾を揺らす。
少しだけ心を許してくれたような気がした。
『なでてみてもいいですか?』
『もちろんいいわよ』
彼女は首輪にリードをつけ、その犬をゲージから出してくれた。
眉間のあたりをそっとなでると、警戒するそぶりもなく気持ちよさそうに目を細める。
『あなたも大変だったのね』
気遣うように声をかけてくれた老婦人に、『でも、私にはそばで支えてくれた人がいたので』と微笑んだ。
『あら、もしかしてそれはあなたのパートナー?』
『そうなんです』
うなずきながら離れた場所にいる亮一さんを見つめる。
彼がいてくれたから、今の私がある。
『素敵なご縁ね』
『はい』
そのとき、すぐそばでパン!という破裂音がした。
それまでおとなしくなでられていた犬が突然うなり声をあげた。
大きな口を開き、老婦人にとびかかろうとする。
「危ない……!」
考えるよりも前に体が動いた。
老婦人と犬の間に入り、両手を広げ彼女をかばう。
ぎゅっと目をつぶったけれど、痛みは感じなかった。
その犬は「くぅん」と細く鳴きわずかに尻尾を揺らす。
少しだけ心を許してくれたような気がした。
『なでてみてもいいですか?』
『もちろんいいわよ』
彼女は首輪にリードをつけ、その犬をゲージから出してくれた。
眉間のあたりをそっとなでると、警戒するそぶりもなく気持ちよさそうに目を細める。
『あなたも大変だったのね』
気遣うように声をかけてくれた老婦人に、『でも、私にはそばで支えてくれた人がいたので』と微笑んだ。
『あら、もしかしてそれはあなたのパートナー?』
『そうなんです』
うなずきながら離れた場所にいる亮一さんを見つめる。
彼がいてくれたから、今の私がある。
『素敵なご縁ね』
『はい』
そのとき、すぐそばでパン!という破裂音がした。
それまでおとなしくなでられていた犬が突然うなり声をあげた。
大きな口を開き、老婦人にとびかかろうとする。
「危ない……!」
考えるよりも前に体が動いた。
老婦人と犬の間に入り、両手を広げ彼女をかばう。
ぎゅっと目をつぶったけれど、痛みは感じなかった。