激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
 予想外に肯定的な反応をされ驚く。

「なんで驚くのよ」
「だって、こんな突拍子もない話をすんなり受け入れてもらえると思わなくて……」
「想い合って結婚したって離婚する夫婦は山ほどいるんだから、期間限定の結婚生活を送る夫婦がいたって別にいいんじゃない?」
「そっか。そうだよね」

 聡美のおかげで気持ちが軽くなった。
 彼女に打ち明けてよかった。

「でも、二年後に離婚するって決まっているなら気をつけないとね」
「気をつけるってなにを?」
「相手を好きにならないようによ。一緒に暮らすうちに日菜子だけが彼を好きになっちゃったら、別れるときつらいじゃない」

 その言葉が胸に深く突き刺さった。

 そうか。亮一さんを好きになっちゃだめなんだ。
 二年後、あとくされなく笑顔でお別れできるように、気をつけなくちゃ……。

「それにしても外交官ってかっこいいね。でも、アメリカに移住したら日菜子となかなか会えなくなっちゃう」

 聡美が「寂しいよう」と私に抱き着いてくる。

「大丈夫。二年で帰ってくる予定だから」
「じゃあ、帰国したらアメリカでの思い出話を聞かせてね」
「わかった」

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