極甘恋愛短編集
「それで、悩みはなに?」


若葉になら話してみてもいいかもしれない。


昨日からなんだか胸がチクチクと痛かったり、モヤモヤしていたりする。


それに今朝の出来事で自分の汚なさにうんざりもしている。


このままじゃ色々なものが自分の中に蓄積していって、いつか変な形で爆発してしまいそうだった。


だから勇気を出して相談してみよう。


そう思って口を開いたときだった。


「美奈子」


横から声をかけられてでかけた言葉を飲み込んだ。


いつの間にかに聖也が隣にいて目を見開く。


「な、なに?」


動揺して声が裏返る。


視線をそらして、全く関係のない場所を見つめた。


そんな私の態度を変だと感じたのか聖也が首をかしげる。
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