極甘恋愛短編集

恋の病

「で、どうだった?」


母親からの質問にぼーっとしていた私は我に返った。


ここは自宅のリビングで、ついさっき帰宅してきたばかりだった。


徹は玄関先まで送ると言っていたけれど、両親に冷やかされるのが嫌で家の手前までで帰ってもらった。


「どうって、なにが?」


「さっちゃんの子供さんよ。あんた、昨日一緒にカレーを作るって張り切ってたじゃない」


言われて昨日のことを思い出した。


確かに私はさっちゃんの子供と一緒にカレーを作って食べてくると両親に伝えていた。


でもそのときにはまだ子供が女の子だと思っていたからだ。


母親が私にさっちゃんの子供を合わせようとしたのも、相手が女の子だからだと思いこんでいた。


でも母親にそんな配慮はなかったんだ。


「一緒に作って、食べてきたよ」


私はぶっきらぼうに返事をする。


その後家事を教えてあげて、一緒に昼寝をして。


なんてことは絶対に言えないけれど。
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