ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




「そもそも葛西さん、あの王様ゲームのなかに居なかったし」


「え……、…あっ!!」


「うん、だからあの嘘は無理あるよなって思ってたのに。誰かさんはまんまと騙されてくれた」



そうじゃんっ!え、そうだよね!?


あの中にいないのに、なんで葛西さんを狙ってたの?ってなる。

辻褄がぜんぜん合わないから、王様ゲームを利用したことにも繋がらない。



「あのときの言葉だって、ぜんぶネットから適当に拾ってきたやつだし。
なんで見破れないんだって、俺ちょっと李衣に思うとこある」


「えっ、これ私が責められてるの!?」


「うん」


「どうしてっ!私すっごく悲しかった…!」


「俺も…苦しかった」


「…!」



思ったことを言えばいい。
考えがまとまらなくても、言えばいい。

伝えられなくて後悔するくらいなら、とりあえず言ってみればいい。



「ほ、本当は…、別れたくなかった…っ」


「…うん、俺も」


「ふざけんなって思った…!」


「俺も」


「えっ、即答…?振ったのは千隼くんなのに…!」



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