ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




ごめんね、お姉ちゃん。

お姉ちゃんも新社会人で大変かもだけど、頼っていいって言ってくれたから甘えることにする。


お姉ちゃんは無事にこの町で就職が決まって、「定時で帰れるホワイト企業ラッキー!」なんて言っていた。


とりあえず早めにメールをひとつ送信。



「あのさ、俺…、李衣のお姉さんに会ってみたい」



すると、千隼くんからそんなことを言われた。

クラスメイトたちにも今の姿を見せるのは嫌だからと避けている彼が、私の姉に会ってみたいと。



「勝手に病室を出ることは禁止されてるし、青石先生に言うとなんかいろいろ面倒そうだから…ここに連れて来てくれない?」


「え…、いいの…?でも私のお姉ちゃん、なんていうか…私と違ってサバサバしてて性格わるいよ?」



性格が悪いっていうか、なにを言ってくるか分からない怖さがある。

良い意味で正直者、悪い意味で失礼。



「それ逆に見てみたいかも」



だけど私もいつかお姉ちゃんと千隼くんを会わせたいとは思っていたから。

ちょうどさっき送ったメールの返信がきていて、私はそっと微笑んだ。



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