死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
リアンの瞳はフェルナンドのものよりも色濃く、ローレンスが子供の頃に読んだ絵本に描かれていた海の底のような色をしていた。光を受けると神秘的な輝きを放っており、宝石のようにも見える。
それは怯えたように揺れていたが、ローレンスの優しい眼差しに安心したのか、次第に和らいでいって。
「…どうしてそんなにフェルナンド殿下を嫌っていらっしゃるのかお聞きしても?」
リアンの気持ちが落ち着いた頃合いを見計らって、ローレンスはそう問いかけた。
リアンは緩々と片脚だけ伸ばすと、少し開いている出窓へと目を動かした。
白色の透けているカーテンが風で揺らめいている。隙あらば窓の外へと出ていってしまいそうだ。
「…話したところで、俺の言葉なんて信じないでしょう」
「信じる、信じないはさておき、僕は貴方たちの間に何があったのか、貴方がフェルナンド殿下に対してどのような感情を持っているのかをそもそも知らないのでね。話してくれないと何も始まらないのだよ」
リアンは眩しいものを見るかのような目でローレンスを見た後、くしゃりと顔を歪めた。
ローレンスはリアンの兄であるフェルナンドとそう年は変わらないというのに、こうも違うのは何故なのだろうか。
引き出しを一つひとつ開けるように、リアンの思っていることを聞き出そうとするローレンスと、神がどうだとか理由を並べ立て、話すらしようとしないフェルナンド。
同じ人間なのに、こうもかけ離れているのはどうしてなのだろう。