死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる

リアンが現れたことに一番に気づいたのはフェルナンドだった。エレノスを庇うようにして立っていたが、リアンが来たのに気づくと剣を鞘から抜き、その切先をリアンへと向ける。

「ヴァレリアンッ…」

ステンドグラスから差し込む様々な色の光が、リアンの黄金の髪を美しく照らす。ルヴェルグよりも色素が薄いそれは、陽の光を受け、月のように神秘的で眩い光を放っていた。

「まさか生きていたとは、って言いたそうな顔ですね」

「貴様、なぜっ…」

「子供たちが外で遊んでいたので、俺も外にいたんです。だから免れることができた」

フェルナンドは苦虫を噛み潰したような顔で、リアンとの距離を詰めると、今にも斬りかかりそうな勢いでリアンの喉元に剣を突きつけた。

だが、リアンは臆しなかった。

「貴方でしょう? エレノス様を使って、孤児院への物資に爆発物を紛れ込ませたのは」

「…………」

「俺が建物に入った頃合いに爆発するよう仕掛けたみたいですが、残念でしたね」

「………貴様」

つぅ、と剣の先がリアンの肌に触れ、鮮やかな朱色が流れる。それでも表情一つ変えなかったリアンは、腕で剣を払い退けるように動かすと、頭ひとつ分背が高いフェルナンドの胸ぐらを掴んだ。
< 286 / 340 >

この作品をシェア

pagetop