【完結】借金返済のために結婚したのに、いつの間にか愛で包まれていました。


 泰裕さんは私の手を握ると、優しい声で「花純、お前は俺のために頑張ってくれてるだろ?」と言ってくれる。

「……はい」

「さ、戻ってキャンプ、楽しもう」

 私は「はい」と返事をすると、そのまま二人で手を繋いで歩き出す。

「ここのキャンプ場、夜はもっと素敵になるんだ」

「え?」

「ここのキャンプ場から星を眺めると、最高なんだ」

 星……? それは素敵……。

「ここは星がキレイに見れる所で有名なんだ。 だから、花純とここに来たかった」

「……それは素敵ですね」

「夜はもっと素敵だから、楽しみにしておけよ」

 私は泰裕さんの手を握り直し「はい」と返事をした。




✱ ✱ ✱


「花純、そろそろだぞ」

「あ、はい」

 夜になりテントの外へ出ると、キレイな星が夜空にたくさん見えていた。

「すごくキレイ……」

「な?キレイだろ?」

 星を眺めながら、私は「はい。 すごくキレイです……」と呟く。
 知らなかった。星ってこんなにキレイだったんだ……。ここで見る星は、特別感があってより一層キレイに見える。

「……素敵です、星」

「ここは最高の場所だ」

「はい。……なんだか、プラネタリウムにいるみたいです」
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