総長さんは慰めたい。(短)
ビリビリ
気合を入れて、自分の制服を破く。まずは、スカートから。
夏季の制服ということもあってか、思った以上に破れやすい。繊維に沿ってみると、布切バサミを使ったように、スルスル切れていった。
「はい、ちょっと体を触るから。暴れないで」
「え、ちょ、君……馬鹿なの?まさか制服破ったわけ?」
「今あるものって言ったら、これしかなかったんだってば」
「な!?ああ、あ、頭悪いんじゃないの、バカすぎ……っ」
眉間にシワを寄せて抗議していた誘拐犯は、諦めたように後頭部を地面につけた。真っすぐ伸びたその体は、総長さんと同じくらい大きい。